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同人誌って儲かるの?CVP分析で考えてみる。

こんにちは。シャニマス専門ブログではないのにアクセスのほとんどがシャニマス関連なので、全然会計とか簿記の話を書く気が起きませんでした。でも、今日は会計にまつわるお話を一つ。あくまで雑記ブログですからね!

 

さて、自分はある時「同人誌で儲ければ働かなくても済むんじゃない!?」と、イラストも描けずストーリーも書けずに思い立ったことがあるのですが、そこで冷静に「どういう条件で儲かるか」を計算してみたことがあります。その時に意図せず管理会計CVP分析の考え方をしていたので、同人活動を始めようとしている方や簿記を勉強している方のために、ここで公開してみようと思います。

 

1、CVP分析とは

「同人誌」あたりのキーワードから入ってきた人向けに解説をしますね。CVP分析というのは、コスト(費用)、ボリューム(販売量)、プロフィット(利益)の頭文字をとったもので、企業が利益を分析するときに使われる分析のやり方です。

「販売量が増えたり減ったりすると、費用と利益がいくら増えたり減ったりするのか」がわかるので、来年の販売量を決めるのに役立ちます。

 

2、固定費と変動費

専門用語ですみませんが、まず、費用を固定費と変動費の二つに分けます。固定費とは、販売量が動いても金額が変わらない費用のことです。変動費とは、販売量が動くと金額も動く費用です。さて、こんな定義だけ説明してもよくわからないと思うので、さっそく具体例を出してみます。

 

固定費の例…移動費、宿泊費、サークル参加費など。

売れようが売れまいが、即売会でテーブルの前に辿りつかなければ始まりませんよね。そのためには、電車賃がどうしてもかかります。遠くから来ているなら、1泊するかもしれません。そうしたらホテル代がかかりますね。それから、運営が決めたサークル参加費を払わなければ、抽選にすら参加できません。こういう費用は、いくら売るとか関係なく一定の金額がかかるため「固定費」となります。

 

変動費の例…印刷費

印刷費って、販売する量というか作る量によって変わってきますよね。例えば、1冊作るのに250円かかるとして、50冊なら12500円・100冊なら25000円を印刷会社にお支払いすることになります。1冊あたりの単価が求められるなら、それは変動費です。逆に、固定費は「1冊あたり電車賃がいくらかかる」という話はあり得ないですよね。

 

3、計算の前提

固定費を求めるにも変動費を求めるにも、仮定が必要です。そこで、いくつか仮定を置いておきます。実際に自分に照らし合わせて計算してみたい!という人は、「」内を自分に置き換えてみてください。そういう必要のない人は、読み飛ばしても大丈夫です。

 

①「コミケ」に参加する。

サークル参加費はイベントごとに違うと思いますが、ここではコミケとします。

Circle.msガイド | コミケットの申込というページによると、サークル参加費が8000円、システム利用料が1100円とありますので、これを利用してみます。

 

②東京の「新宿」に住んでいる。

電車賃を計算するために必要な仮定です。新宿から国際展示場駅まで電車で移動すると、ちょうど500円の電車賃がかかりますね。当日朝に出て当日夜に帰ってくるとして、宿泊費はこの場合、ゼロです。

 

③印刷会社は、以下を利用する。

変動費(1冊あたりいくらか)を求めるために、必要な仮定です。

同人誌印刷会社なら・初めての人“にも”優しい同人誌印刷所「しまや出版」

グーグルで「同人誌 印刷」と検索をかけて出てきた中で、印刷費の計算表がわかりやすかった「しまや出版」さんのこちらのページを参考にさせていただこうと思います。

また条件として、一般的な同人誌のサイズである「B5」、ページ数は「24ページ」として計算してみます。

 

1冊あたりの値段が書いていないため、この表から1冊あたりの印刷費を計算して、別途表にしてみました。

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1冊あたりの印刷費の額自体にそんなに深い意味はないですが、多く印刷した方が1冊あたりの印刷費が安くなるのはわかりますよね。

 

④1冊あたりの売り値は「1000円」とする。

CVP分析では、売る値段の情報も必要です。

 

4、当てはめ

①収益をグラフにしてみます。

1冊あたり1000円で売れるものが、50冊売れたら50000円ですよね。そんな感じでグラフを作っていくと、

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こんな感じになります。

 

②費用をグラフにしてみます。

まずは、固定費9600円は売れようが売れまいが必ず一定でかかるものなので、9600円からスタートです。0冊でも9600円かかります。

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次に、変動費を足していきます。とりあえず、9600から、線をななめにびーっと引っ張ります。

50冊のときは36300円の印刷費がかかって、さらに固定費9600円もかかるので、45900円の費用がかかります。そんな感じでグラフを作ると、

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こんな感じになります。

 

①と②のグラフを合わせると、

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こんな感じになります。

 

 

 

……………ここまで書いて、わざわざグラフ化した意味あった?とおもいましたが、もう知りません。あくまで会計の話をしたかったので、これでいいんですよ、うん。

 

50冊売れた場合、4100円の儲け。

100冊売れた場合、50160円の儲け。

200冊売れた場合、141060円の儲け。

300冊売れた場合、229960円の儲け。

となります。

50冊売った程度では、アフターで焼肉を食べるだけで終わってしまいますね。

100冊で「小さな副業」という感じ、300冊売れるとやっとまともな収入といえるのではないでしょうか。

 

同人誌って儲かるの?という最初の問いに答えると、「100冊売れればお小遣い程度。300冊売れる程度ならそこそこ儲かるかも。」という回答になりますね。ちなみに、100冊をコミケの10時〜16時の6時間で売るには、1時間に17冊、4分に1回くらいのペースで売れなければなりませんね。コミケに行ったことがある人ならわかるとおもいますが、4分に1回売れてるサークルがいったいどれほどあるでしょうか。

また、あくまで在庫なく全て売り切った場合のグラフであって、売れなかった場合はその分収益が減りますからね。100冊刷って(49840円の費用)も、50冊しか売れなかった(50000円の収益)場合、利益はたったの160円です。世知辛いのじゃ。

 

みなさんも自分で当てはめて計算してみて、同人誌で儲かることの難しさをイメージしてみましょう。

 

なんだ、この駄文。