監査論セレクト30題 の使い方。(レビュー)
こんにちは。会計士試験の論文過年度生です。
はじめに
最近、市販の「監査論 セレクト30題」という本を買いました。
市販で唯一といってもいい監査論の論文用問題集なのですが、レビュー記事がネットにあまりなかったのでぼちぼちとレビューしつつ、使い方を解説してみます。
大きく分けて3部構成になっていて、
①重要論点の総まとめ(80ページ程度)
②例題30題(120ページ程度)
③過去問数問と出題論点(30ページ程度)
となっています。
②例題30題の使い方
まず、メインはやはり例題30題です。
1題は、1つのテーマ(二重責任の原則、内部統制監査みたいな)に関連する2〜4つ程度の小問から構成されています。そして、解答、解説や考え方が載っています。
過去問に比べると若干基礎的な内容に感じますが、論文式試験で聞かれそうなところはバッチリ抑えてあります。
というか去年の論文答練の復習をしたあとにこの本の同じテーマの問題を見たら「めっちゃ類題じゃん!」となりました。
この本をしっかり勉強しておけば予備校の答練だって手が届いちゃうよ、というわけです。
また、事例問題も何問かあって、事例問題における着眼点や解き方のコツも詳しく書いてあります。じっくりじっくりと読みましょう。
で、この例題のなにが素晴らしいって、論文式試験における重要性(A〜Cの三段階)が振ってあるんですね。
30題×平均3つの小問=90程度の小問があります。90問を一気に読み通すとなるとけっこう骨が折れますが、1週目はA、2週目はAとB、3週目はBとCというように、少しずつ少しずつ掘り下げていくことで、精神的な負担を軽減できます。
このやり方をする場合は、重要性ごとに違う色のマーカーで問題を塗っておくと見やすくなると思います。
①重要論点の総まとめの使い方
①はかなり淡々とまとまっています。
本を買っていきなり①を読み始めるよりは、②で解いたテーマの部分をスキマ時間で読むのがいいと思います。
重要性が振ってあるので、一通り②が終わったら色分けでもして、①と②を重要性ごとにぐるぐる読みましょう。
③過去問数題と出題論点の使い方
過去問は重要性が振ってありませんが、著者の方がピックアップした過去問で腕試しできます。
例題自体が過去の問題をベースとしている(と思う)ので、全く歯が立たないということはないはずです。ただし、同じ論点でも切り口(〜〜を踏まえて、〜〜の観点から、の〜〜部分)が変えられたり、一筋縄ではいかないところもあります。
監査論って、1つの用語について聞くだけでも、切り口がいくつもあるのが面白いですよね。まあ、受験生の自分からしたらなにも面白くないんですけど。笑
解説も手を抜かずにしっかり書いてあるのが、ありがたいです。
一番の魅力
作者の3人の方は、本の裏表紙の著者紹介を見る限りだとTHE・実務家で予備校やら試験には関係ないように最初感じていたのですが、どうやら御三方とも会計士試験の受験指導に関わったことがあるそうです。
(どうせなら受験指導歴何年、とか書いてあればもっと買う人が増えそうな気もしますが、、、)
まあそれはともかく、この本には、受験に関連したコラムがいくつか散りばめられています。このコラムがコーヒーブレイクにちょうどよく、個人的に一番すきな部分でした。
中でも特に面白かったコラムを一つだけ紹介します。
一文一意
筆者の方が答案の添削をしていて「一文が長いと読みにくいし、あれこれ話が入り組んでしまうよ。」というお話です。
答案を書いた生徒が質問にくるのですが、その質問にクスッときてしまいました(詳しくは本を買ってみてくださいね)。
また、最後に"わかりやすい文章を書くコツ"を書いてくれるのですが、これがまたじっくり見るとふふっとなってしまいます。
是非、読んでみてください。
おわりに
独学で勉強している方はもちろん、予備校で監査論を勉強している方にも、おすすめの一冊です。
「監査論の問題集は作らない」という方針の予備校が多いようですが、個人的にはあったほうが勉強の指針にはなるような気がします。まあ、受かってから語れというお話なのですが。
今日も勉強がんばります。
ではでは。